仮面教師SJ
基本的に、ウイングス文庫はライトBLのレーベルなので男性読者が買うには気恥ずかしいし、手に取る機会も少ないかも知れない。
もっとも、麻城氏の作品に関しては「いい男が出てきても、BL展開にはならない」ので安心して大丈夫である。
麻城氏は、ここ5年以上、「新・特捜司法官S-A」という作品に係わっており、その作品の完結後の新シリーズが本作になる。前作は長編(文庫10巻)であったが、本作は中編連作になるようであり、「あれ?話が繋がらない。途中の巻を買い損ねたか!」という心配が少なそうなのは有り難い(あまり部数が出ないレーベルなので、今でこそAmazonなどのネット通販で取り寄せられるが、書店の店頭での注文では時間がかかるし、レーベルだけ言えば男が買うには気恥ずかしい)。
正直、前作の「S-A(スペード・エース)」から、「『SJ』はスペード・ジャックかな?」と若干期待したが違いました。‥‥‥だって、扉絵は特捜司法官です。
時は人類が太陽系に広く進出した未来。主人公の笹蔵十蔵には特殊技能があった。それは、極端な短期記憶と模倣能力。同じ力を持った父は、その力を大規模な詐欺に用い、それに対する正義心を持つ笹蔵十蔵は、子ども達を導く教師をめざすが、従兄弟の教育機構監査局長の霧彦のスカウトで各種の学校に潜入し、学校での不正を告発する(その教師になりきる為に前述の特殊技能を用いる)ことになる。
最初の学校は、教師と生徒が行方不明になった「時計学校」であった。
前作の約20年前が舞台(同じ世界)となります。このあたりは、読者へのファンサービスも兼ねているのか、終盤の美味しいところは「謎の特捜司法官」がさらっていきますし、始めの方で前作の主人公のTV俳優が出ている番組が始まったばかりといった表現もあります。
というわけで、特捜司法官シリーズ(挿絵の道原かつみ先生の漫画作品「ジョーカー」シリーズ、麻城先生の「特捜司法官S-A」「新・特捜司法官S-A」)のファンの方にはすんなり入れる作品です。
あ、もうお気付きでしょう。「SJ」は主人公の「Sasakura Jyuuzou」のSJでした。(でも、今のところは、だよなぁ。)